OLD FRAME BATTLE LAB
第1弾だけでデュエマを対戦したら?火VS光、手札3枚から始まる2,000戦の実験

「1ターン目、ブレイズ・クロー!」。この宣言だけで、対戦の記憶がよみがえる人もいるはず。でも、その直後の手札は何枚でしょう。相手のシールドは減った? まだです。先攻なら手札は3枚、相手のシールドは5枚。勢いよく出した小さな赤い先陣も、このターンは攻撃をお休みします。
今回は第1弾、DM-01のカードだけで40枚のデッキを二つ組みました。火の小型クリーチャーとドラゴンが、光のブロッカーに挑みます。実際にプログラムを動かした2,000戦のうち、先攻1ターン目に凶戦士ブレイズ・クローを出した最初の記録を、一手ずつ開いてみましょう。景気のいい攻撃から始まるのに、途中でちゃんと困ります。
DM-01限定の自作デッキによる再現実験です。当時の大会の実戦記録ではありません。カード情報は公式カード検索、基本処理は総合ゲームルール Ver.1.51を参照しました。2002年当時の裁定をすべて再現したとは扱いません。記事で両者の手札を見せるのは検討用で、対戦プログラムは相手の手札やシールドの中身を見て判断しません。
今日の40枚。火は前へ、光は受け止める
各カード4枚、10種類で40枚です。比較しやすい単色の教材用デッキにしました。火にはブレイズと不死身男爵ボーグ、大きな一撃を狙うボルシャック。光にはサイズの違うブロッカーと浄化の精霊ウルスを採用しています。火の軽量札が足りない初手も起こります。その困り方も、今回の観察対象です。
火:小型からドラゴンへ
- 凶戦士ブレイズ・クロー ×4
- 不死身男爵ボーグ ×4
- 喧嘩屋タイラー ×4
- 掃討兵バーニング・ヘル ×4
- 超砲手ボルカノドン ×4
- メテオザウルス ×4
- ボルシャック・ドラゴン ×4
- クリムゾン・ハンマー ×4
- トルネード・フレーム ×4
- バーニング・パワー ×4
光:ブロッカーと反撃
- 蒼天の守護者ラ・ウラ・ギガ ×4
- 碧玉草 ×4
- 翡翠樹 ×4
- 月光の守護者ディア・ノーク ×4
- 予言者リュゾル ×4
- 弾丸の使徒イーレ ×4
- 追跡の使徒ローク ×4
- 浄化の精霊ウルス ×4
- ソーラー・レイ ×4
- ホーリー・スパーク ×4
「クルトも光の1マナだから入れよう」は、今回は待った。予言者クルトはDM-10、小さな勇者ゲットはDM-02です。昔のカード同士でも、登場順を混ぜると別の環境になります。第1弾だけの遊びでは、第1弾だけの悩みを味わいます。
先攻1ターン目。手札5枚が3枚になるまで
取り上げる記録の乱数seedは2。火の初手は、ボルカノドン3枚、バーニング・ヘル1枚、ブレイズ・クロー1枚です。「4マナのカード、多くない?」と思ったら、その感覚は正解。1マナのブレイズを出せても、2ターン目に続ける2マナのクリーチャーはいません。
先攻の最初のターンはドローなし。ボルカノドン1枚をマナへ置き、残りは4枚。その1マナをタップしてブレイズを召喚すると、手札は3枚になります。残った内訳はボルカノドン2枚、バーニング・ヘル1枚。ブレイズは場に1体、マナは1枚で使用済み、墓地は0枚。両者のシールドは5枚のままです。
召喚したカードは場へ、マナにしたカードはマナゾーンへ移動します。「1マナ払ったから、手札もさらに1枚捨てる」わけではありません。
ここでボルカノドンを置くのは、重いカードが重なっていて、ブレイズを残せば今すぐ動けるからです。「強いカードだから絶対に手札に残す」では、1ターン目の仕事がなくなってしまう。このマナ置きの惜しさも、昔のデュエマの楽しいところです。
後攻1ターン目。守る側にも都合がある
光の初手は翡翠樹、ウルス、ローク2枚、ホーリー・スパーク。通常ドローでリュゾルを引き、手札は6枚になります。ここでは6マナのホーリー・スパークをマナへ。残り5枚で、召喚はありません。1マナのラ・ウラ・ギガを採用していても、引いていなければ出せません。デッキリストに書いてあるだけでは助けに来てくれないのです。
この時点で火から見えるのは、光のマナにスパークがあり、場が空いていること。相手が翡翠樹を持っているとは、まだ分かりません。記事では両方の手札を開いていますが、プレイヤーの判断と、後から分かった事情を分けて読み進めます。
2ターン目。シールドを割ると、相手の手札が増える
火はメテオザウルスを引きます。5マナなので今は出せず、マナにして合計2枚へ。手札はまた、ボルカノドン2枚とバーニング・ヘルの3枚。どれも4マナです。2マナ使えるのに、追加の召喚ができない。ブレイズだけが「じゃあ行ってきます」と前へ出ます。
ブロッカーはいないので、光のシールドを1枚ブレイク。光のシールドは5枚から4枚へ、手札は5枚から6枚へ増えました。割れたカードは翡翠樹です。火のシールドは5枚、手札は3枚のまま。攻撃しただけで、自分の手札が減ることはありません。
光の2ターン目はソーラー・レイを引いて7枚、ウルスをマナへ置いて6枚、2マナでリュゾルを出して5枚。ここでのウルスは切り札であると同時に、次の行動を作るマナになりました。リュゾルは出たターンなので攻撃できませんが、火が次も攻撃して横向きになれば、その返しに狙えるようになります。
3ターン目。2枚割ったのに、ブレイズが帰ってこない
火はバーニング・パワーを引きます。ボルカノドンを1枚マナへ置いて3マナ、手札はバーニング・ヘル、ボルカノドン、バーニング・パワーの3枚です。まだ4マナの仲間は出せません。ブレイズの攻撃で光のシールドは4枚から3枚に。今度はソーラー・レイが出ました。
ところが、火の場には、攻撃してすでにタップしたブレイズしかいません。ここでソーラー・レイをS・トリガーで使っても、次の攻撃を止める仕事がない。今回の判断では使わずに手札へ残します。「トリガーだ、無料だ、使おう!」と毎回飛びつく必要はありません。光の手札は5枚から6枚になりました。
光の3ターン目。もう1枚ソーラー・レイを引いて7枚、ロークをマナへ置いて6枚、3マナで翡翠樹を召喚して5枚。そこで、前のターンからいるリュゾルがタップ中のブレイズへ攻撃します。パワー2000対1000。ブレイズは破壊され、火の墓地へ。両者のシールド枚数は、このバトルでは変わりません。
火のシールド5枚、光は3枚。一見、火がリードしています。でも場は、火が0体、光はリュゾルと翡翠樹の2体。手札も火3枚に対して光5枚です。シールドを先に減らした側が、そのまま有利とは限らない。数字を全部並べると、「あれ、光のほうが余裕あるぞ?」が見えてきます。
| 終了した手番 | 火 | 光 |
|---|---|---|
| 火1ターン目 | 3/1/5 | 5/0/5 |
| 光1ターン目 | 3/1/5 | 5/1/5 |
| 火2ターン目 | 3/2/5 | 6/1/4 |
| 光2ターン目 | 3/2/5 | 5/2/4 |
| 火3ターン目 | 3/3/5 | 6/2/3 |
| 光3ターン目 | 3/3/5 | 5/3/3 |
5ターン目。攻撃中5000でも、帰り道は3000

火は4ターン目にバーニング・ヘルを召喚。光も翡翠樹をもう1体出し、壁を厚くします。火の5ターン目にはブレイズとボルカノドンを追加し、前のターンからいるバーニング・ヘルが、タップ中のリュゾルへ攻撃。光の翡翠樹が、リュゾルを守るためにブロックしました。
バーニング・ヘルの通常パワーは3000ですが、攻撃中はパワーアタッカーで5000。翡翠樹は4000なので、このバトルは火の勝ち。光の翡翠樹1体が墓地へ行き、シールドは守られました。「5000なら、4000の木なんて怖くない!」と胸を張りたいところです。
ただし、その5000は攻撃中限定。光の5ターン目に、もう1体の翡翠樹がタップ中のバーニング・ヘルへ攻撃すると、今度は翡翠樹4000対バーニング・ヘル3000。さっき勝った火の兵士が倒されます。攻めると強いけれど、返しに狙われると弱い。カードの右下にあるパワーと、今この瞬間のパワーを分けると、戦いがぐっと立体的になります。
なお、翡翠樹は相手プレイヤーへ攻撃できませんが、タップしたクリーチャーには攻撃できます。「ブロッカーだから絶対に攻撃できない」とひとまとめにすると、この反撃を見落とします。出したばかりのブロッカーで相手の攻撃を止めることと、自分のターンに攻撃することも別です。
最後の1枚がスパーク。まだ勝っていません!

対戦は長引き、火の14ターン目。火のシールドは1枚、光も1枚。火の場にはバーニング・ヘル、メテオザウルス、タイラー、そして今出したブレイズがいます。バーニング・ヘルの攻撃で、光の最後のシールドを割りました。中身はホーリー・スパーク。ここで光はS・トリガーを使い、火のクリーチャーをすべてタップします。
光のシールドは0枚。でも火の残りの攻撃役も横向きになり、そのターンのダイレクトアタックは届きません。今出したブレイズにはもともと召喚酔いもあります。あと一歩のところで全員集合写真のように横を向く。攻める側には、なかなかつらい光景です。
「W・ブレイカーなら最後の1枚を割って、その余りで勝てる?」という疑問にも、答えはノー。シールドを割る攻撃と、シールド0枚の相手へ通す攻撃は別です。デーモン・ハンドが最後の盾から飛び出す怖さも、この一手の差にあります。今回の記録ではさらに攻防が続き、光の18ターン目、イーレのダイレクトアタックで光が勝ちました。ウルスもそのターンに出ましたが、決めたのは前から場にいたイーレです。
墓地も数える。ボルシャックの計算問題
ここからは対戦記録と分けた、同じデッキで起こりうる盤面の検討です。自分の場に、前のターンからいるボルシャック。自分の墓地には火のカードが3枚あるとします。ボルシャックの攻撃中のパワーは6000+3000で9000。墓地にあるのがクリーチャーか呪文かではなく、火のカードかどうかを数えます。
では、手札のクリムゾン・ハンマーを2マナで唱え、相手のラ・ウラ・ギガを破壊してから攻撃したら? ハンマーが自分の墓地へ入り、火のカードは4枚。ボルシャックの攻撃中のパワーは10000になります。相手のラ・ウラ・ギガは相手の墓地なので、自分の枚数に足しません。
ブロッカーを1体減らし、攻撃中のパワーも上がる。この二つの変化を別々に数えると、呪文を使う順番の意味が分かります。ただし相手の残りシールド、次に出したいカード、残るマナによって、今ハンマーを使う価値は変わります。「墓地が増えて強くなるから、とにかく使う」で終わらせず、何を越えるための10000なのかまで考えてみたいところです。
2,000戦ではどうなった?
同じ二つの40枚を使い、seed 0〜999の1,000組で先攻を入れ替えて計2,000戦を実行しました。結果は次の通りです。これはこのデッキと固定した判断方法での実験値で、当時の環境全体の勝率ではありません。
| 条件 | 火の勝ち | 光の勝ち | 火の勝率 |
|---|---|---|---|
| 火が先攻・1,000戦 | 344 | 656 | 34.4% |
| 光が先攻・1,000戦 | 415 | 585 | 41.5% |
この条件では、火は後攻のほうが勝ちが多くなりました。ただし「昔のデュエマは後攻が有利」とは結論できません。今回の火は4マナ以上のクリーチャーも多く、軽いカードから順に出す判断に固定されています。追加の1ドロー、マナに置く札の選び方、ブロック方針が結果にどう影響したかは、条件を一つずつ変えて確かめる必要があります。
判断方法は、序盤に重い札を優先してマナへ置き、使える除去から使い、その後は軽いクリーチャーを優先して召喚するもの。攻撃は勝てるタップ中の相手を優先し、ブレイズの攻撃義務も処理します。守る側はブロッカーがいればブロックする方針です。先ほどの翡翠樹を失うブロックも、この方針によるもの。「この1枚は受けて壁を残す」という人間の判断まで最適化した結果ではありません。
検証では、先攻の手札計算、召喚したばかりのブロッカー、同じパワーの相打ち、最後の盾とW・ブレイカー、S・トリガーで後続の攻撃が止まること、墓地によるパワー上昇などをテストしました。各処理後には、両者それぞれのカードが全ゾーン合計40枚で、重複や消失がないことも確認しています。
ブロック判断を変えた続編も公開しました。同じデッキと山札で「止める/受ける」を4,000戦比較し、シールド1枚と守護者1体のどちらを残すか考えます。ここで紹介したリュゾルを守るブロックと、プレイヤーへの攻撃を受ける判断の違いも解説しています。
次は、どの1枚を入れ替える?
今回の初手を見ると、火の課題は「ブレイズを出したあと、2ターン目と3ターン目に仲間が続かなかったこと」。だから次に比べたいのは、単に大きなドラゴンを増やしたデッキより、序盤の手札を改善したデッキです。攻撃の順番だけを変える、ブロックを1回見送る、マナに残すカードを変える。同じ山札順で比較すれば、どの選択が分かれ道だったのか追いやすくなります。
カードプールをDM-06まで広げるとフェアリー・ライフからマナを伸ばす話や、ボルメテウスがシールドを墓地へ送る話もできます。DM-10までならクルトも参加。まずは弾別一覧で登場時期をそろえ、それぞれ別の実験として比べていきます。
箱の中のカードを見て「ああ、これをマナに置くの、毎回ちょっと惜しかったな」と思ったら、昔のノーマルカードの読み物ものぞいてみてください。切り札だけでなく、その手前の1枚にも、ちゃんと対戦の続きがあります。旧枠カードの買取相談はこちらのフォームから受け付けています。
カード画像・能力の参照:ブレイズ・クロー、バーニング・ヘル、翡翠樹、ホーリー・スパーク、ボルシャック・ドラゴン(タカラトミー公式)。実験識別子:dm01-limited-1.0。掲載日:2026年9月9日。



コメント