「良いワームは好き嫌いをしないものだ。」DM-02の卵胞虫ゼリー・ワームには、覇王ブラック・モナークのそんな言葉が添えられています。相手の手札を見ずに1枚食べる能力を読むと、妙に納得。切り札か、余ったマナ用の札か。選ぶ側にも分からないところが、対戦ではなかなか落ち着きません。
ただし、1枚捨てさせてから盾を割れば、その盾が相手の手札へ来ます。「減らしたのに、枚数が同じ?」となるのは、そのためです。DM-02までのカードで、手札の増減と攻撃順を追ってみましょう。以下は能力を理解するための手動の盤面例で、大会の再現ではありません。

3マナ2000。手札を減らすのは、出た時ではなく攻撃する時
ゼリー・ワームは闇文明、コスト3、パワー2000のパラサイトワーム。DM-02ではコモンです。攻撃する時に、相手の手札から1枚を見ないで選び、相手に墓地へ置かせます。相手が自分で捨てたい札を選ぶ能力ではありません。
召喚しただけでは、この手札破壊は起きません。通常は召喚酔いするため、3ターン目に出したなら、最初に攻撃を狙えるのは次の自分のターンです。出した直後の相手のターンを、場に残って迎えられるかが大切になります。
また、相手プレイヤーを攻撃する場合だけでなく、相手のタップしたクリーチャーへ攻撃する場合も能力が働きます。盾を割った時にだけ起きる能力ではないので、どこへ攻撃するかによって、手札を減らした後の結果が変わります。
手札3枚へ攻撃すると、2枚にしてから3枚に戻る
相手の手札が3枚、シールドが5枚。ブロッカーやトリガーなどはなく、ワームが相手プレイヤーへ攻撃する例です。攻撃する時の能力で、先に手札1枚を墓地へ置かせます。その後、攻撃が通ると盾1枚が手札に加わります。
| 処理 | 相手の手札 | 相手の盾 | 相手の墓地 |
|---|---|---|---|
| 攻撃前 | 3枚 | 5枚 | 変化なし |
| 攻撃時に1枚捨てさせる | 2枚 | 5枚 | 1枚増える |
| 盾を1枚ブレイク | 3枚 | 4枚 | そのまま |
最終的な手札の枚数は3枚ですが、中身が同じままではありません。もともとの手札1枚が失われ、盾から別の1枚が加わっています。単に能力のない2000で盾を割ったなら手札は4枚になるところを、3枚に抑えたとも見られます。
ただし、捨てさせた札より、盾から来た札のほうが今の相手に必要なこともあります。何を引いたか分からない状況で、必ず相手の手札の質まで悪くなったとは言えません。確かなのは、1枚を捨てさせ、盾を1枚減らしたという変化です。
手札0枚には空振り。その後に盾の1枚を渡す
相手の手札が最初から0枚なら、ワームの攻撃時に捨てさせるカードはありません。それでも攻撃自体は進み、盾を1枚割れば、相手の手札は0枚から1枚になります。
この新しい1枚を、さかのぼって同じ攻撃の能力で捨てさせることはできません。手札を選ぶ処理は、盾が割れるより先に終わっています。ワームが盾を割ったから、盾から来た札をそのまま墓地へ送れる、という順番ではありません。
相手の手札を0枚のまま維持したいのか、今は盾を減らすほうを優先するのか。この二つの目的は、常に同時には達成できません。能力が強く見える場面でも、相手の現在の手札枚数から読み始めます。
ハルカスを先にすると、捨てさせる1枚ができる
相手の手札は0枚、盾は5枚。こちらには攻撃できるワームとアクア・ハルカスが1体ずついます。2体とも相手プレイヤーへ攻撃し、ブロックもトリガーもない場合を比べます。
ワームを先にすると、手札破壊は0枚に対して空振り。そのブレイクで相手の手札が1枚になり、続くハルカスのブレイクでもう1枚増えて、最後は2枚です。
ハルカスを先にすると、最初のブレイクで相手の手札が1枚になります。次にワームで攻撃し、その1枚を捨てさせて0枚に戻します。ワームのブレイクで新たな1枚が来るので、最後の手札は1枚です。
| 攻撃の順番 | 相手の手札の動き | 終了時の盾 |
|---|---|---|
| ワーム→ハルカス | 0→0→1→2 | 3枚 |
| ハルカス→ワーム | 0→1→0→1 | 3枚 |
割った盾はどちらも2枚。使うカードを変えずに、最後に相手へ残す手札が1枚変わります。なお、最初の盾がS・トリガーなら、使われる処理は次のワームの攻撃を待ちません。盾から来た除去を、後の手札破壊で先回りして封じられるという意味ではありません。
タップした青銅を狙えば、盾を渡さず手札を減らせる
相手の場にタップした青銅の鎧がいて、手札が2枚ある場合です。ワームで青銅へ攻撃すると、まず手札1枚を捨てさせます。その後、2000のワームと1000の青銅でバトルし、ほかの効果がなければ青銅が破壊されます。
相手プレイヤーへの攻撃ではないため、このバトルで盾は割れません。相手の手札は2枚から1枚へ減ったままで、青銅も場からいなくなります。ワームはタップ状態で残り、次の相手のターンには攻撃される可能性があります。
手札と場の両方を減らせる例ですが、相手の青銅がアンタップしていれば、通常はその青銅へ直接攻撃できません。手札破壊の能力があっても、攻撃対象の基本ルールを飛び越えるわけではないのです。
ブロックされても、攻撃時の1枚はすでに捨てさせている
ワームが相手プレイヤーへ攻撃し、ラ・ウラ・ギガにブロックされる例を考えます。手札を捨てさせる能力は攻撃する時に処理するため、その後にブロックされたからといって、その1枚を相手の手札へ戻しません。
パワー2000同士なので、ほかの効果がなければワームとギガは相打ちです。盾は割れず、ワームも失いますが、相手の手札1枚と壁1体を減らした結果が残ります。相手に手札があるか、失ってよい攻撃役かを見て選ぶ場面です。
4000のブラッディ・イヤリングにブロックされた場合は、パワーでワームが負けます。イヤリングも自身のバトル後の能力で破壊されますが、それはワームがスレイヤーを持っているからではありません。似た結果になっても、どの能力で墓地へ行ったのかは分けます。
タッチと合わせて2枚減らすには、ワームを先に残す
場に前のターンからワームがいて、相手の手札が3枚なら、メインステップでゴースト・タッチを唱えて1枚減らし、その後にワームの攻撃時能力でもう1枚減らすことができます。盾を割らなければ、相手の手札は3→2→1枚です。
ワームの攻撃時には追加のマナを払いません。そのため、場に残っていることが、次のターンのマナを別の行動へ回す余地になります。ただし出したターンにタッチとワームを使う合計5マナの動きでは、ワームは通常まだ攻撃できません。
タッチ2マナとワーム3マナを払えたことと、そのワームが今攻撃できることを分けて考えます。手札破壊を急ぐなら今使う呪文、次から繰り返したいならクリーチャー、という時間の違いがあります。
カオス・ワームへ進化すると、仕事も切り替わる
同じDM-02の魔獣虫カオス・ワームは、パラサイトワームから進化する5マナ5000です。登場時に相手のクリーチャー1体を墓地へ置いてよい能力があり、ゼリー・ワームを土台にできます。
進化すると上のカードの能力で動くため、下のゼリー・ワームの攻撃時手札破壊を、そのまま使い続けるわけではありません。相手の手札を減らす小型を残すか、今必要な場の除去へ切り替えるかという選択になります。
また、攻撃してタップした後に普通の召喚へ戻って進化することはできません。進化を行うなら攻撃を始める前に考えます。公式の進化Q&Aと進化ガイドで、召喚酔いとタップ状態も確認できます。

盾を減らす前に、手札の数を一度見る
ワームの強さは、攻撃のたびに相手の選択肢へ触れられることです。相手の手札が何枚か、盾を渡すのか、タップした小型を狙えるか。攻撃を宣言する前のひと手間で、同じ2000の動きが変わります。
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