相手が大事なクリーチャーを出したまま、攻撃せずにターンを終える。「タップしていないから、まだ殴られないはず」。そんな待機場所へ踏み込めるのが、ガトリング・ワイバーンです。盾へ向かうだけでなく、相手の次の一手を場から取り除く。名前は豪快ですが、使う側にはなかなか悩ましい標的選びが待っています。
ただし、出た瞬間に何でも壊せるカードではありません。7マナを払った後、いつ攻撃できるのか。7000で勝てる相手は誰なのか。紙のDM-01を中心に、手札と盤面を決めた例で追ってみます。コッコの比較はDM-06まで広げています。以下は説明用の手動検討で、当時の大会を再現した記録ではありません。
7マナ7000。起きている相手にも攻撃できる

DM-01版は火文明のベリーレア、種族はアーマード・ワイバーン。7マナ7000のW・ブレイカーで、タップしていない相手クリーチャーも攻撃できます。通常の攻撃では触りにくい、まだ攻撃していない小型や、能力のために置かれている仲間を狙えるわけです。
この能力は、相手が攻撃するのを待たずにバトルを仕掛けられる点が持ち味です。一方で、能力だけで相手を破壊するのではなく、実際に攻撃し、バトルで勝つ必要があります。相手の向きを無視できても、パワーの大小まで無視できるわけではありません。
また、W・ブレイカーはシールドを2枚割る能力で、1ターンに2回攻撃できるという意味ではありません。クリーチャー1体を倒したら、その攻撃では相手の盾は減りません。「敵を倒したから、ついでに盾も2枚」はできないのです。
盾を2枚割るか、次の攻撃役を1体消すか
自分の場には、前のターンからいるアンタップしたガトリング1体。相手の場には、アンタップしたアクア・ハルカス1体。相手のシールドは3枚、手札は2枚、自分のシールドは1枚とします。他のクリーチャーや影響する能力はありません。
| ガトリングの攻撃先 | 相手の場 | 相手の盾 | 相手の手札 |
|---|---|---|---|
| ハルカス | 7000対2000でハルカスが墓地へ | 3枚のまま | 2枚のまま |
| 相手プレイヤー | ハルカスが残る | 3枚→1枚 | 2枚→4枚 |
下段は、割った盾のS・トリガーを使わず、ほかに処理が起きない場合です。どちらもガトリングは攻撃してタップします。上段なら次の相手の攻撃役を1体減らせますが、勝利に必要なシールドの枚数は減っていません。下段なら盾を大きく削れる反面、相手に2枚の手札を渡し、ハルカスも残ります。
自分の盾が1枚だからといって、このハルカス1体だけで次のターンに即敗北するわけではありません。1回の通常の攻撃で最後の盾を割られ、その後の直接攻撃には別の攻撃役が必要です。ただし、相手がさらに動く余地はあります。盾を割って渡した2枚も、その選択肢になりえます。
盤面を片づけるか、勝ちへ急ぐか。ガトリングの面白さは、普段なら選べない「起きたハルカスを攻撃する」が、この比較に加わるところです。どの相手でも殴れば正解というより、相手に次のターン何をさせたくないかが標的を決めます。
出したターンには撃てない。7マナの待ち時間
使用可能な火を含む7マナがあり、手札がガトリングを含めて3枚。通常召喚すると、手札は2枚、使えるマナは0枚になります。場には7000が1体増えますが、ガトリングはスピードアタッカーではないため、そのターンは召喚酔いで攻撃できません。
アンタップした相手を攻撃できる能力も、召喚酔いを消してはくれません。出した直後の相手クリーチャーを選び、そのまま墓地へ置くような処理ではない点に注意します。相手へターンを渡し、無事に戻ってきて、ようやく攻撃先を選ぶ形です。
その間にデス・スモークでアンタップ状態を狙われたり、スパイラル・ゲートで手札へ戻されたりすると、予定していた攻撃はできません。7マナの大物を出せることと、その能力で相手の場を処理できることには時間差があります。
マナ加速なしで毎ターン1枚置けば、7ターン目に7マナです。ただし、途中でマナに置く札を切らさず、そこまで攻撃を受け切る必要があります。序盤の小型やブロッカーは、大物が動き出すまでの時間を作る仲間でもあります。
9000のグランは、起きていても倒せない

相手のグラン・ギューレは9000のブロッカー。ガトリングなら、そのグランがアンタップしていても攻撃先には選べます。しかし、能力による補正などがない7000対9000のバトルでは、ガトリングのほうが負けて墓地へ行きます。
さらに、別の小型を狙って攻撃しても、相手にアンタップしたグランがいれば、グランでブロックされることがあります。攻撃対象を自由に広げる能力と、ブロックされなくなる能力は違います。奥にいる小型へ照準を合わせても、手前の大きな壁が割り込めるのです。
相手の壁ごと能力で片づけたいなら、クリムゾン・ワイバーンとの違いが見えてきます。あちらは登場時にブロッカーを敵味方まとめて処理するカード。ガトリングのように7000で1体ずつ勝つ必要はありませんが、ブロッカーではない相手にはその能力が届きません。同じワイバーンでも、得意な相手が違います。
攻撃した後は、こちらもタップしている
ガトリングで小型を倒した後、自分のガトリングはタップしています。次の相手のターンには、通常の攻撃でも対象にされる状態です。相手の場にもっと大きな攻撃役がいるなら、小型1体を倒す代わりに7マナの主役を失う交換になるかもしれません。
たとえばグランは相手プレイヤーを攻撃できませんが、タップした相手クリーチャーへの攻撃は可能です。前のターンからいるグランが攻撃できる状態なら、タップしたガトリングを9000で狙えます。盾に向かってこない壁でも、こちらが攻めた後には反撃役になりうるのです。
逆に、自分のガトリングを攻撃させずアンタップで残せば、通常のクリーチャーからは攻撃対象にされにくくなります。ただし、ガトリング自身にブロッカーはないので、立たせているだけで相手の盾攻撃を止められるわけではありません。攻めない選択にも、守れるものと守れないものがあります。
コッコを狙える。でもコッコで軽くはならない
DM-06まで広げると、場に置いたままドラゴンの召喚を助けるコッコ・ルピアがいます。コッコは1000なので、すでに攻撃できるガトリングなら、アンタップしているコッコも狙えます。ほかのブロッカーなどが妨害しなければ、バトルで取り除けます。
ただし、コッコを倒しても、すでに軽減を使って出たドラゴンまで消えるわけではありません。相手の次の召喚を重くする動きです。今いる大物と、これから出そうな大物のどちらを優先するかを考えます。
そして、自分がコッコを使ってガトリングを5マナで出すことは通常できません。ガトリングの種族はアーマード・ワイバーンで、ドラゴンではないからです。竜らしい姿と、ルール上のドラゴン指定は別。公式のコッコの軽減対象まで読むと、この勘違いを防げます。
7/110の一枚から、狙っていた相手を思い出す
初期版の番号は7/110。昔のファイルを開いたら、ガトリングの隣にどんな小型や壁が入っていたかも見てみてください。強さは7000という数字だけでなく、相手が攻撃を控えて守っていたカードに手が届くところにあります。
弾別一覧や昔のデュエマ辞典から仲間をたどれば、盾を急いだあの場面にも別の選択が見えてくるかもしれません。整理や売却の相談は、表裏の写真と枚数を添えて買取相談フォームへ。派手な名前に任せて連射するより、一発を誰へ向けるか。そんな読み合いを楽しめる初期の大型です。



コメント