相手が大切そうに抱えている手札。その中から、見ないで1枚。ゴースト・タッチの仕事は地味です。派手なドラゴンも出なければ、バトルゾーンが一掃されるわけでもありません。それでも、捨てられたカードを見て「あ、それは困る!」となる瞬間がある。わずか2マナの呪文に、次のターンの予定を崩されるのです。
ただし、毎回切り札を射抜くわけではありません。もう使い道の少ないカードが落ちることもあります。この当たり外れと、使うタイミングの読み合いが面白いところ。第1弾のカードだけで、手札の枚数、使えるマナ、攻撃役の数を追ってみましょう。以下の対戦例は能力を理解するために設定した局面で、実際の大会の再現ではありません。
ゴースト・タッチは「手札破壊」。手札へ戻す呪文ではない

DM-01版は闇文明、コスト2のコモン呪文。S・トリガーを持ち、相手の手札から中身を見ずに1枚選んで捨てさせます。いわゆるランダムハンデスです。相手の手札を確認して好きなカードを指定する能力ではありません。「そのドラゴン、捨ててください」とお願いできたら楽なのですが、そこまでは面倒を見てくれません。
混同しやすいのが、場のクリーチャーを手札へ戻す「バウンス」です。こちらはスパイラル・ゲートの仕事。ゴースト・タッチが触るのは手札で、ゲートが触るのはバトルゾーン。この違いは、後で2枚を組み合わせるときにも大切になります。
自分も1枚使う。手札4枚対4枚から数えてみる
自分と相手の手札がそれぞれ4枚。自分は闇を含む2マナを使える状態とします。ここで手札のゴースト・タッチを唱えると、自分の手札は3枚になります。相手は1枚捨てて、手札が3枚に。解決したゴースト・タッチは自分の墓地へ、捨てられた相手のカードは相手の墓地へ置かれます。
| 確認するもの | 使用前 | 解決後 |
|---|---|---|
| 自分の手札 | 4枚 | 3枚 |
| 相手の手札 | 4枚 | 3枚 |
| 使ったマナ | 0 | 2 |
| 場のクリーチャー・シールド | 元の状態 | 変わらない |
ほかに反応する能力がない前提なら、これが基本の収支です。相手だけが損をしたように見えても、自分も呪文1枚と2マナを使っています。狙うのは単純な枚数差というより、相手がこれから使う予定だった選択肢を減らすこと。落ちた1枚の役割によって、同じ「1対1交換」でも試合への影響が変わります。
2ターン目に唱えるか、クリーチャーを出すか
2マナたまったから、とりあえず唱える。これも一つの動きですが、相手の場を見てから決めたいところです。相手に攻撃役がいて、自分の場は空。ここで手札を1枚減らしても、その攻撃役は残ります。相手の次のターン、普通にシールドへ向かってくるかもしれません。
同じ2マナをクリーチャーに使えば、次のターン以降に攻撃したり、タップされた相手を倒したりする準備になります。手札への妨害を優先するか、場を作るか。ゴースト・タッチを使ったターンに何をしなかったのかまで考えると、判断が具体的になります。不死身男爵ボーグのような軽い攻撃役が並ぶ相手には、この1ターンが案外重いのです。
逆に、相手の場がまだ薄く、次の大きな行動に備えて手札をためているなら、先に妨害する価値が上がります。ただし、伏せられた手札の内容を知っていることにはできません。使われたカード、マナに置かれた文明、残った手札枚数から考える。読みが当たる楽しさもありますが、外れる余地を残してこその読み合いです。
相手の手札が0枚、1枚、3枚。それぞれ何が違う?
0枚なら、捨てさせるカードがありません。唱えても手札破壊の成果は出ず、自分が呪文を1枚使っただけになります。1枚なら、選ぶ対象はその1枚だけです。中身を見て選べるわけではありませんが、相手の手札を空にできます。次のターンに引くカードまでは消せないので、その後の行動まで封じ切ったとは考えないようにしましょう。
3枚なら、どれが落ちるかは分かりません。特定の1枚を落としたい場面で、3枚を等確率に選ぶと仮定すれば成功は3分の1。これはその条件での計算であり、対戦データから得た勝率ではありません。2枚残る以上、相手に別の動きがある可能性もあります。手札破壊が通ったことと、相手の計画を完全に止めたことは、分けて見たいですね。
ゲートからタッチ! 手札0枚なら、戻したシャウナを捨てさせられる

ここからは2枚を組み合わせます。相手の手札は0枚、場には通常の1枚のカードとして出ている光輪の精霊シャウナが1体いるとします。自分の手札はゲート、ゴースト・タッチ、ほか1枚の計3枚。水と闇の支払いを両立できる4マナが、すべて使える状態です。
- 水を含む2マナでゲート。シャウナを相手の手札へ戻します。自分の手札は2枚、相手は1枚。
- 残した闇を含む2マナでゴースト・タッチ。相手の手札はシャウナ1枚だけなので、それが墓地へ置かれます。
- 自分の手札は1枚、相手は0枚。相手の場からシャウナがいなくなり、シールドの枚数は変わりません。
戻すだけでは再登場する大型クリーチャーも、手札を経由して墓地へ送れました。ただし、こちらは2枚の呪文と4マナを使い、相手のカード1枚を処理しています。何でも得する必殺技ではありません。デーモン・ハンドのような直接破壊と比べて、必要なカードの枚数や文明が違います。
同じ2枚でも、順番を逆にすると結果が変わる
今の局面で先にゴースト・タッチを唱えると、相手の手札は0枚なので何も捨てさせられません。その後ゲートを使えば、シャウナが手札に残ります。使ったマナも呪文も同じなのに、順番だけで墓地行きが手札行きになる。小さな呪文ほど、こういう手順の差がよく見えます。
相手の手札が最初から2枚ある場合にも注意が必要です。ゲートで戻した後は3枚になり、ゴースト・タッチで戻したシャウナを確実に選べるわけではありません。等確率に選ぶ仮定なら、シャウナに当たるのは3分の1。戻したカードだと知っていても、相手の手札の表を見て指定する能力には変わりません。「戻して落とす」は、相手の手札枚数までそろって初めて確実な手順になるのです。
S・トリガーが出ても、次の攻撃は止まらない
自分のシールドが残り1枚、ブロッカーはなし。相手には攻撃できるクリーチャーが2体いるとします。1体目に最後のシールドを割られ、ゴースト・タッチが出ました。コストを払わず使い、相手の手札を1枚捨てさせることはできます。それでも、場に残る2体目の攻撃役は消えません。ほかの防御手段がなければ、続く直接攻撃で負けてしまいます。
「トリガー来た!」と喜んだ直後に、あれ、止まってないぞとなる場面です。アクア・サーファーで未攻撃のクリーチャーを戻す場合とは役割が違います。手札を減らすのは次の選択肢への干渉で、今そこにいる攻撃役への対処ではありません。トリガーという共通点だけで、防御力まで同じと数えないことが大切です。
古いコモンを見直すと、デッキの考え方が見えてくる
手札を削る側だけでなく、補充する側も読むと面白さが増します。第1弾ならアクア・ハルカス、DM-06まで広げるならエナジー・ライト。減らした手札がまた増えると、妨害する側は「そのドローが通る前に使いたかったな」と考えることになります。カードプールを変えたときは、使える補充札も分けて考えましょう。
昔の箱からゴースト・タッチが出てきたら、光っていないからと脇へよける前に、収録番号を見てみてください。同名カードでも収録版は異なります。この記事で扱ったのはDM-01の94/110。買取の相談では表裏の写真や状態、枚数を伝えると、どの版の相談か分かりやすくなります。金額は状態などで変わるため、ここでは固定価格を約束していません。
昔のデュエマ辞典では、こうしたカードの役割を大会や漫画の記事へつないでいます。派手な切り札の横で、たった2マナの呪文が相手の予定を狂わせる。古いデュエマをもう一度遊ぶなら、この小さな嫌がらせも忘れずにどうぞ。



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